【2006年】20世紀の名馬　ツインターボ編

通算戦績　ＪＲＡ２２戦５勝（うち交流１戦０勝）　ＮＡＲ通算１０戦０勝（うち交流１戦０勝）

『競馬の面白さを教えてくれた』
『嫌な事があっても、ツインターボのレースで癒されている』
『ツインターボの４コーナーは、いつも希望に満ち溢れている』

現役を退いて、１０年の月日が流れた今。
それでもなお、ツインターボの名は競馬ファンの中に確かに息衝いている。
「ブラッド・スポーツ」としての競馬を超えた競馬の姿が、そこには在るように感じられるのだ。

１９９３年の七夕賞。
最初の６００ｍが３３秒９、１０００ｍ通過は５７秒４。
２０００ｍのレコードタイムが１分５６秒台、などという事実を持ち出すまでもなく、「暴走」である。
だが、ツインターボはアイルトンシンボリに４馬身の差をつけて圧勝した。現役屈指のスタミナ自慢を寄せ付けることなく。

続くオールカマーで、ツインターボはまたもや壊走、いや快走を見せる。
最初の１０００ｍは５９秒５。だが、七夕賞と違って３コーナーに入ってもペースが落ちない。２００ｍ１２秒弱を刻み続けている。
４コーナーをカーブしてもなお、２番手のホワイトストーンは遥か後方。人気のライスシャワーは更にその後ろ。中山が揺れた。
最後の坂。小柄なツインターボに中舘のムチが飛ぶ。的場文男の妙技に応えてハシルショウグンが迫る。最後の２００ｍは１３秒０。
しかし、ツインターボがゴール板を通過したその刹那。２頭の間にはまだ５馬身の差があった。そしてこれが現役最後の勝利になった。

勝てなくなってからも、ツインターボは逃げ続けた。
４コーナーで大差を保てなくなってからも、３コーナー手前までは誰にも先頭を譲ることなく。
公営・上山に移籍し、宮城県で種牡馬入りし、どマイナー血統でありながらもいくばくかの後継を残した生粋の逃亡者。
ライラリッジ産駒のＧⅢ３勝馬。そんな字面の事実では到底語り尽くせない魅力を持った、まさに２０世紀が残した名馬だった。

こういう個性がある馬がいると競馬も楽しいね。
ＶＴＲで見たオールカマーは、気持ちよかったよ。
ＧIIIを３つだけしか勝てなかった馬だけど、みんなの記憶には深く残る馬だと思ってるよ。